2022.04.12

 

春を待っていたはずがあっという間に夏みたいな気温になっている。あっちーと思いながら最寄りの駅まで走っていたら私のひざ丈くらいの女の子がトコトコ道路に向かって歩いていた。危ないなーと思っていたら後ろからお兄ちゃんらしき男の子が駆けてきて、女の子の手を取ろうとした。のに女の子は思いっきりその手を振り払った。女ってこの年頃からめんどくさいとこあんのかよ〜と思ってなんかちょっと心配になってしまい遠目に見ていたら、それでも嫌な顔ひとつ見せず何度も手を握ろうとするお兄ちゃんに、あいつぁ将来でけえ男になるぞ〜と感心してしまった。心が春みたいな暖かさに包まれた、朝。

 

 

先日、好きなバンドが主題歌の映画が公開された。わたしは公開日が誕生日だった。もうその時点で私のオタク心は運命じゃん、、、と叫んでいた。

楽しみすぎて原作の本を読んでみたらめちゃくちゃ良くて、より公開が待ち遠しくなった。原作を超える映画を私は見た事がないけれど、それでも楽しみで仕方なくなった。

母は実家に帰って私を産んだので、祖父母がいる場所が私の生まれ故郷だ。映画の主人公のふるさととおんなじ県。だから、主人公のお母さんがしゃべる言葉のイントネーションが祖父母のと同じで、私自身がとても近い存在から言葉を受け取っているような感覚になった。言葉ひとつでたくさんの記憶が、風景が呼び起こされた。私にとってはたくさんの記憶が香ってくるような映画だった。

なんかもう運命じゃん、、、最高や、、、と思っていたらエンドロールで大好きな声が、音が流れ始めて、もう本当にダメだった。本当にありがとうと思った。

 

誕生日なんて、なんかもうあんまり嬉しくないし、ほんとに私この日に産まれたん?知らんてー実感無いてーという気持ちにすらなるけどそれでも絶対にいい一年にしようと思った。

最高速度、最高純度、最高濃度の一年。もうこれで終わりでいい、そんな一年。それしか求めてない。

 

きっかけなんてなんでもいいんだ、どこまでも行きたい