2022.04.17



金曜日、会社で限界を迎えてトイレで泣いてしまった。

ずっとしんどかったけど、なんとか心の黒い部分に蓋をして、大丈夫だと言い聞かせて、毎日毎日職場に行っていた。でもきっとみんなそうだし、みんな苦しいし大変だし、そう言い聞かせてきた。

朝方まで眠れなくて平均4時間睡眠を延々と続ける生活。職場では頭が痛くてお腹も痛くてめまいもしていた。駅のホームではいつもソワソワしていて、いつパニックの発作が起きてもおかしくないな、やべえ、とどこか他人事のように思っていた。でも私には音楽があったし、大切な家族や友人がいたし、全然平気だった。


それがささいなきっかけで堰を切ったようにドバドバ溢れてしまって会社で泣いた。金曜日。


その日は夜に弾き語りのライブだった。正直もう行く元気なかったし、心ここに在らずみたいな感じだった。ふらふらの足取りで何とかたどり着いた会場。すごくあったかい空間で、自分が好きな音楽を好きな人がこれだけいるんや、自由だ。まだ生きられる、そう思った。心が少しだけ軽くなった。

そのまま寝ずに、5時に家を出て石川県まで。

クリープハイプのツアー初日。

中学生の頃から大好きなバンド。沢山の思い出があるバンド。ライブを見ていたらたくさんの想いが溢れてきた。でも最後の曲が終わって、尾崎さんがステージをあとにして残った感想は、ありがとう、大好き。あなたがいたから生きてこれた。それだけだった。

最後の曲は最初の1音が鳴っただけで涙が止まらなくなってしまって俯いたまま嗚咽をこらえるのに必死だった。ステージを全然見られなかったけど、力強い彼らの音楽が何度も背中を撫でて、柔らかく押してくれるようだった。

尾崎さんは泣かなかったし、涙なんて邪魔になるだけで大事なものが見えなくなるから絶対に泣かないと思っていたのに、ずっと目は涙で滲んでいた。クリープハイプのことになるといつまでも1番しんどかった学生時代の記憶が香ってきて、感情がぐちゃぐちゃになって溜め込んでいたものが勝手に出てきてしまう。自分でも気がつかなかった自分の苦しさやしんどさの蓋が開けられてそれをクリープハイプが燃やしてくれる。その火の粉は本当に熱くて本当にキラキラしてる。クリープハイプがいてくれて本当に良かった。


コロナ禍になってから1度もライブに行っていなかった姉と久しぶりに一緒にライブに行った。席は別々にとっていたけど、同じ空間でライブを見れているということが嬉しかった。

この曲はお姉ちゃんが好きな曲だ!よかったね!!とか思って聴いていて、ライブ後に姉に言ったら、姉も私に、この曲刺さったでしょ?とか言い当ててきて、相思相愛じゃん、、、と思った。同じ曲で泣いたり、笑ったりしてたんだ、やっぱ姉妹や。そう思った。

声は出せなかったけど、クリープハイプとお客さんがずっとコミュニケーションを取ってるようなライブだったね。みんなそれぞれ楽しんでてさ、みんながそれぞれの楽しみ方を尊重することですごい一体感だったよね。とっても自由な一体感だったよね。と、そんな事を熱気冷めやらぬ中話し続けた。

これだよね、そうこれ。ライブにしかないんだよこの感覚。あー最高。久しぶりのライブがクリープハイプでよかった。と言いきった姉を見て、やっぱお姉ちゃん好きや、とか改めて思ったりした。


どれだけ離れた場所で暮らしていても、いつも近くにいる会社の人たちなんかより大切な人たちはずっとわたしの近くにいる。そんなことを思った。

誰かを正そうとするな、私はただ、私が正しくあろう。大切に思ってくれる人のことはやっぱり絶対に大切にしよう。そしてそういう人がいることを、忘れないでいよう。帰りの新幹線の中でそんなことを考えている。


このまま家に帰らずまたライブへ。

悪いことをしてるんじゃないんだから、楽しみな。それだけ胸が熱くなるようなものがあるってのはいい事だよ。自意識過剰だよ、全然見られてないよ。大丈夫大丈夫。もう話したいこと話しきった?


たくさん大切にしたい言葉をもらった。生きた先で、今よりたくましくなった自分で、また必ず会いたい。