2022.06.07

 

 

 

もう6月に入ったのか。夏みたいに暑い日が続いていたから忘れかけてたけど、しっかり梅雨入りしたっぽい。健やかな生活を送れなくても気圧のせいにしていきたいところだ。

 

先日、コロナ禍になってから会えなくなっていた祖母に4年ぶりくらいに会えた。

すごくしっかりしている人で、それでいてとてもあったかくて大好きな祖母。家の階段から足を滑らせて骨折した時に入院してから一気にボケてしまって、会いに行っても私のことを覚えていない日もあった。

初めてのことで混乱して、会う頻度が一気に減ってしまったように思う。愛されているということを実感するのは割と難しくて、当たり前のことの中にあったりして、今さら言葉にするのは照れ臭かったりもして、見て見ないふりをしているような気もする。そんな私でも愛されていると感じるくらい言葉や行動、仕草や表情、すべてで愛を伝えてくれる人。自信をくれる人。私にとって祖母と祖父母はそういう存在だ。

そんな大切な人が、私のことを知らない人になってしまうのがとても怖かった。祖母は私と、言葉もわからない赤ん坊の時から一緒にいてくれたのに、私は私のことをわからなくなってしまう祖母と一緒にいるのが辛かった。そんな自分のことが嫌だった。

そしてコロナ禍になり、施設に入っている祖母と会うのはほぼ不可能な時期が続いた。

久しぶりに会った祖母は私のことを覚えてくれていたし、家族の写真を見せると本当に嬉しそうに笑っていた。言葉数は本当に少なかったけど、やっぱり祖母は、私の大好きな祖母だった。

隣にいる父の顔をじっと見つめて、しばらくして天を仰いだ祖母の瞼にはまぁるい雫が一粒のっていた。何を思ったんだろう。想像しても、何もわからなかった。分かった気になりたくなかった。私は、あのキラキラの雫を一生忘れたくない。

いつまでも優しい祖母は会っている時、何度もありがとうと言っていた。忙しいのにごめんね、と言っていた。

これからもっと、もしかしたら辛いことが待っているかもしれないけれど、それでも祖母に会えるうちに何度も会いに行きたいと思う。私のことはいいのよ、ときっと祖母は言うんだろうけど、私は、あなたからもらったたくさんの愛を、少しでも返したいです。