2022.03.29



ミスをした、会社で。

そんな大きなことじゃないが、小さなミスをポロポロとしてしまう日だった。ミスに小さいとか大きいとかがあるのか分からないけど、私の今日のミスが誰かの死に直結することはない。でも確実に誰かが私の代わりに誰かに謝って、そのループが延々と続いて顔の知らない誰かにまで時間と労力を使わせているのかと思うとずしんと胸のあたりが重くなる。自分のこの思考回路には毎度反吐が出る。予防線を張り巡らせて、慰められ待ちみたいなこの感じ、気持ち悪い。嫌になる。


帰り道、桜が綺麗に咲いていたからうつむいて帰らずに済んだ。川沿いの桜は満開に咲いて、夜でもぷくぷくで淡いピンク色だった。


満開の桜を他所に、迷惑をかけてしまった人たちの顔を思い出していた。みんななんともない顔をして、大丈夫だよと優しかった。いつもそう。私は怒られてしまった方が楽だ。突っぱねられて見損なわれてしまった方が、楽だ。だから、優しくされるといつも泣きそうになってしまう。自分の器の小ささを感じながら、もうこの人には迷惑をかけたくないと、自分に責任があることを再認識する。

怒ることは、その人の想像力を奪う可能性があるのかもしれないと思った。優しさに奮い立たされることだってある。


帰り道、そんなことを考えていた。涙は出なかったけど、ずっと泣いている時みたいに息が苦しかった。この感情に、名前はあるんだろうか。

好きなボーカルが弾き語りのライブをするらしい。私の口に合わなかったプロテインで母は今日もお菓子を作ってくれたらしい。桜を見上げながら歩いた。少しだけ、元気になって家に帰る。